太陽電池「バイオレッタ」について

■太陽電池「バイオレッタ」は、イタリア語ですみれの花を示す"VIOLETTA"に名を受けた、青紫色の小さな太陽電池です。 私たちは、「バイオレッタ」を小さく、軽く、高性能、安全で長寿命な太陽電池にするために、様々な技術と工夫をこらし、多くの手間をかけています。

■パネルのなかの深い青紫色の半導体は、市販品最高水準のエネルギー変換効率（太陽電池の性能を示す、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する割合のこと）を誇る、単結晶シリコンセルという、結晶シリコン系の太陽電池半導体です。最高性能の太陽電池半導体を可能な限り小さなパネルに搭載することで、太陽電池「バイオレッタ」は、最小の面積から、最大の電気をつくりだします。

■単結晶シリコン太陽電池は、電卓や腕時計などに使われているアモルファスシリコン太陽電池よりはるかに大きな電気をつくりますが、アモルファスシリコン太陽電池のように、蛍光灯などの弱い光では、あまり電気をつくることができません。これは、自動車に例えれば、小型トラックとレーシングカーのエンジンの違いに似ています。低速トルクが太いため、小さな馬力でも街中を走れる小型トラックのエンジンをアモルファスシリコン太陽電池に例えれば、単結晶シリコン太陽電池は、さながら、低速では使い物にならない代わりに、高速域で抜群のパワーを発揮する、超高速回転型のレーシングエンジンです。自動車のエンジンと同様に、太陽電池にも出力特性の差があります。太陽電池「バイオレッタ」は、屋外の太陽光の下で最高の実力を発揮する太陽電池なのです。

■太陽電池「バイオレッタ」は、ひとつひとつ、手間のかかる手作業で作られています。まず、元になる10cm角程度の太陽電池半導体をレーザー光で小さく切断し（たいへん薄くてもろいので、カッターの刃などで切ると割れてしまいます）、耐紫外線加工を施した軽量ポリカーボネート製のトレイや、FR-4（ガラスエポキシ樹脂）製、APS（アルミニウム/ポリエチレン/アルミニウム）製のサブストレートに切断した太陽電池半導体をのせ、金属リボンを半田付けしてひとつずつ接続します。次に、超音波洗浄によりトレイ、サブストレート、半導体上の塵や埃を十分に取り除いた後、数時間かけて完全に乾燥させます。最後に、耐紫外線加工を施した特殊な弾性ポリマーを流し込み、1枚のパネルに仕上げていきます。

■この特殊な弾性ポリマーは、NASA（米国航空宇宙局）でも使用されているもので、耐久性、耐候性、紫外線耐性に優れており、長期間弾性を失わないので、表面に傷がついても時間がたてば元通りに復元されます。デリケートな太陽電池半導体は、強靭なトレイやサブストレートに守られた柔軟なポリマーの中に浮いているため、衝撃にあってもダメージをあまり受けない構造になっています。また、完成後は、パネルが一体化した密封構造となるため、防水性にも優れています。

■こうして作られた太陽電池「バイオレッタ」を、私たちは、世界中のより多くの人に、より長い間使っていただきたいと思っています。そのために、私たちは、今後、多くの人の役に立つ、太陽電池「バイオレッタ」を搭載した様々な独立型太陽光発電システム、モバイル太陽電池「バイオレッタ ソーラーギア VS01」をはじめとする、パーソナルでモバイルでウェアラブルな太陽光発電システムを開発していきます。